Page 23 - 東京都公立大学法人 環境報告書2024
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東京都立大学 学長 大橋 隆哉 地球という一つの惑星は、将来にわたって人類の手が届きうる範囲の宇宙では、恐らく唯一の居住可能な星であり、人類に とっても学問的意義からもかけがえのない存在です。45億年の歴史の中で生命を育んできた地球は、人類はもちろんあらゆる 生命体にとっての親であり、この美しい地球を守りぬいていくことは私たちの使命です。しかし、近年の気候変動とそれに起 因すると考えられる自然災害の頻発は、人間活動の結果、地球環境が深刻な程度にまで変化しつつあることを示しています。 地球を守り生命を守るために今何をなすべきか、大学こそが率先して人々の知を結集し、この課題に挑戦するべきです。 東京都公立大学法人は2021年7月に気候非常事態宣言を発出し、2022年度はカーボンニュートラルへ向けた取組を実行に 移すため、「カーボンニュートラル推進プラン」を策定しました。計画では、2030年に温室効果ガス排出量(Scope1及び 2)を2013年度比で50%削減し、2030年代のカーボンニュートラル達成を目指すこととし、その取組を開始しています。 また、研究分野では、法人が設置するTMUサステナブル研究推進機構において、8つのテーマで研究を進めており、サステ ナビリティの見地から、社会課題の解決に貢献していくことを目指しています。 東京都立大学の環境報告書では、カーボンニュートラルの実現や異常気象への対処につながる研究として、大気中の二酸化 炭素や窒素から有用物質を産み出すシアノバクテリアの研究、異常天候の理解につながる夏季アジアモンスーン域の降水の研 究、将来の電力供給を支えるであろうパワーエレクトロニクスの研究、そして鳥人間コンテスト2023環境賞を受賞したこと とマラヤ大学と共同実施したサステナビリティに関するウェビナーを紹介します。このように本学では地球環境の改善につな がるさまざまな活動を行っていることをご理解いただければ幸いです。 今回、法人及び東京都立大学にとって3回目となる環境報告書を作成することになりました。今後も大学として様々な取組を 進め積極的に発信していきます。皆様方からのご指導、ご支援をよろしくお願いいたします。 22 東京都立大学 学長挨拶 


































































































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