Page 30 - 東京都公立大学法人 環境報告書2024
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東京都立大学 学生の環境活動 「鳥人間部T-MIT」 鳥人間コンテスト2023環境賞受賞! 鳥人間部T-MITは、2023年7月に開催された鳥人間コンテスト2023の人力プロペラ機部門に出場し、機体制作における環 境への取組等が評価され環境賞※を受賞しました。今回は2024年度執行部の代表で3年生の足立さんにお話を伺いました。 ※環境賞は2023年に新設され、鳥人間部T-MITが初めての受賞者となりました。 鳥人間部T-MITの活動について教えてください。 部の活動では、鳥人間コンテストに出場するためのすべて の工程を行います。機体を制作する前にパイロットを決めて から予算を決める会議を行います。その後、どのような機体 を作るのか航空知識を持った部員が設計し、まず試作の機体 を作っていきます。機体を作る際には、例えば翼を作る班や ギアボックス(漕いだ力を伝達するパーツ)を作る班など、 大きく分け5つの班があり、最終的に各班のパーツが組み合 わさって機体が作られていきます。実機の制作後は、安全性 確保のため飛行場でテスト飛行を複数回実施します。 その他にも、部員が多いので毎週ミーティングを実施し て、各班や部内のコミュニケーションをしっかり取ること を大切にしています。 テスト飛行の様子 どのような取組が評価され、鳥人間コンテストの環境賞を受賞したのでしょうか。 必要以上に資材を使わず、省資源やリサイクルを意識した 機体制作が評価されました。試作機を作るときには、鳥人間 コンテスト本番で着水した機体を引き上げて、使える資材 は再利用しています。機体を作る際に出るごみの量が非常に 多いので、部内で話し合いリサイクルに回せる資材の検討も 行います。例として、使い捨てとなっている翼のメイン資材 を、リサイクルできる事業者に引き取ってもらうことができ ないか検討を行いました。また、必要以上にごみを出さない 点で、資材の使用を抑えることも大切です。それは機体の軽 量化にもつながります。機体を軽量化することでパイロット も漕ぐのが楽になり飛距離も伸ばせる、そして自ずとごみが 減り環境にも優しくなるという相乗効果が生まれます。 その他にも、廃材を再利用した棚や作業台を作成して、機 体制作に活用しています。また、昨今の鳥人間コンテストで 重要視されているSDGsに関する取組を強化するため、近隣 高校において鳥人間部の活動について講演を行いました。 廃材を使用した作業台で 翼のパーツ試作品を制作中 大学で学んだことが、どのように機体の制作に役立ちましたか。 使える資材・パーツは再利用 私は普段、航空機やロケットなどの設計・構造を勉強して います。鳥人間の活動も飛行機の制作なので、学んだことが 機体作りにすぐ役立ちます。逆に、機体を制作した後に、大 学の授業で仕組みを学ぶということもあり、学んだ知識が実 践を通して活かされる場面が多々あります。さらに、機体の フライト直前の機体「VEGA」 軽量化に向けて、物が壊れる限界を見極めるために材料力学 で学んだ内容を活かすことができます。教養課程では環境へ の配慮を学びますが、航空機の設計や構造を学ぶ中で、機体 を軽くすることが環境負荷の削減にもなることを学ぶことが できました。 鳥人間コンテストのテレビ番組は映っている時間 が短いですが、私たちは1年をかけて魂を込めて機 体を作っています。私たち学生たちが限界に挑戦し 続けている姿を、今後も応援していただけると嬉し いです。 システムデザイン学部 航空宇宙システム工学科・3年次 足立 修磨さん 29 


































































































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